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発達障害の子のコミュニケーション支援アプリ有効活用のために

time 2019/04/25

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

発達障害の子のコミュニケーション支援アプリ有効活用のために

発達障害である自閉症の子の多くは会話をすることができなかったり、全く話をすることができません。
そのために、家族はコミュニケーションを助けてくれる方法を求めています。
現在はiPadのようなデバイスや、発達障害の子向けのコミュニケーションアプリについて知ることも多くなりました。これらのアプリは多くの場合タップすることで、「ジュースが欲しい」と音声で伝えたり、動画で「私はあなたが大好きです。」と伝えたりできます。
しかし、「このアプリは自分の子に本当に使えるのか?」
これが課題となります。
最初は子どもも興味をもって利用するかもしれません。
しかし、コミュニケーションが少しも改善することなく、すぐに利用しなくなってしまうことがよくあります。
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家族はがっかりしたり、苛立ったりすることになります。
学校や医療機関などに相談するば、「補助代替コミュニケーション(AAC)」の専門家につながるかもしれません。
米国ではAACの専門家は学校や医療機関にいます。
単語や短い文章を表す絵を使った方法から、ハイテク機器を使った方法まで、どのコミュニケーション方法がどう役に立つかを熟知しています。
コミュニケーション支援のアプリは10年ほど前から高価な専用機器で利用可能となっていましたが、今ではiPadなどのパッド端末やスマホでも利用できるようになりました。
AACの専門家は30年以上にわたって、コミュニケーションを支援する方法について評価を行ってきました。
そのうえで、それぞれの子どもの特性と家族のニーズにあわせて、適切な方法を推奨してきました。
最近になって、このプロセスが逆の順になったのです。
家族がiPadなどを、まず購入しコミュニケーション支援アプリを使ってみて、それからAACの専門家に助けを求めるようになりました。
発達障害、自閉症の人たちのさまざまな特性、コミュニケーションの難しさ、そしてそれぞれの家族がもつそれぞれのニーズがあるために、この逆順になったプロセスがうまくいくことはめったにありません。
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テクノロジーは、発達障害、自閉症の人たちを大きく助けてきました。
パッド端末やスマホは、それまでの専用のAAC端末機器に比べると、とても手頃な価格です。
また、パッドやスマホは、障害のない多くの人がコミュニケーションに利用しているものです。
そのためにAACとして利用していても、多くの人にとって特別なコミュニケーション手段と思われないでしょう。
学校では、発達障害、自閉症の子どもたちは奇異なコミュニケーション機器を使う子どもから、iPadを使うクールな子どもに変わりました。
補助代替コミュニケーション(AAC)には、そうしたテクノロジーによるものだけでなく、これまでの紙や絵を使った方法や、まったく道具を使わない身振りや手話、体を使った方法もあります。
テクノロジーによる方法、もテクノロジーを使わない方法、どちらも重要です。
例えばテクノロジーを使う方法では、充電ができなかったりすると機能停止してしまいます。
そうした場合にも備えて、AACの専門家は指導を行います。
また、現在のコミュニケーションを支援するアプリは、直感的に簡単に使えるとはいえないでしょう。
そのため、子どもも親も利用する方法を学ばなければ、結局使われません。
使い方を教える人、教えることが、まず成功させるためには必要です。
AACを利用する人は、その使い方だけでなく、コミュニケーションの基本についても学ぶ必要があります。
誰と、いつ、どんな単語を使うか、どう文章にするのかです。
そして他のみんなも、AACを使う子どもたちとコミュニケーションをとる方法を学ぶ必要があります。
時間を十分に、相手を少し待つということや簡単なAACの使い方を知ること等です。
実際にAACを使う子どもたちとコミュニケーションをしていくことで、AACを使いたい場面を知ったり、AACを使ってもらう機会を作り出せます。
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発達障害、自閉症の子どもたちがパッドやスマホそしてアプリを使う場合でも、それらがその子どもにあったようにパーソナライズできなければ、コミュニケーション改善の役に立つのは難しいものとなります。
AACの専門家はアプリを評価し、子どものニーズを判断して、どの機能を使うかなど、適切なパーソナライズを行えます。
例えば、高い知能をもつ自閉症の高校生が利用する場合では、未就学の児童とは異なる指導方法が必要となり、サポートも少なくて良いかもしれません。
AACを用いて、コミュニケーション改善の最良の結果を得るためには、コミュニケーションする内容についても子どもにあわせて個別に考える必要があります。
例えば、子どもが楽しくなる、やる気がもてる、年齢にあった行動をする、そうなるために、さまざまな状況下で子どもたちは何を伝えたいのかをきちんとわかることです。
スーパーでパニックを起こさないようにするためにはどんなコミュニケーションが必要か。
大好きな音楽について、友だちと話すためにはどんなコミュニケーションが必要か。
夕食時に家族で会話ができるようになるためにはどんなコミュニケーションが必要か。
そうしたことです。
AACの専門家は、状況にあわせてコミュニケーションをとるために必要となる基本の言葉を特定し、効果的な解決策を見出すのを手伝います。
子どもたちが最大限の可能性を満たすためには、コミュニケーションのあらゆる側面に対して、それぞれの子どもにあわせた定期的な指導や注意が必要です。
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay,wikimedia
テクノロジーが進歩して、ますます助けられていきます。
本当にありがたく、うれしく思います。
しかし、テクノロジーだけではまだ手に負えない、中途半端なところもあります。
それはこれからもそうだと思います。
適切な人から適切な支援を受けることは今後も必要です。
発達障害の子の発達に補助代替コミュニケーションで悪影響はない

(チャーリー)


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