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自閉症スペクトラム障害の人、介護する人を助けるテクノロジー

time 2020/03/30

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症スペクトラム障害の人、介護する人を助けるテクノロジー

リー・ジュンレは13歳です。
自分の気持ちを伝えたり、自分の言いたいことを表現したりするのが難しいことがよくあります。
リーはまた、突然の原因不明のパニックを起こすことがあり、両親も混乱してしまいます。
「パニックを起こしているときは、その理由を私たちに言うことはできません。
原因がわからないことがよくあります。
なので、私たちが推測しなければなりません」
そう母親のリムは言います。
リーは発達障害である自閉症スペクトラム障害をかかえています。
いつもの決まった行動と違う行動をとるようなこと、例えば急にスーパーマーケットに行くようなことをすれば、それはパニックにつながってしまいます。
両親はリーが特別支援を必要とする子どもであるために、パニックなどを起こしてしまうことをまわりの人たちに言わなければならないことがあるといいます。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
父親のボブリーは冗談めかしてそう言います。
テクノロジーの進展がリーのような自閉症スペクトラム障害の人たち、介護する人たちの助けとなるはずです。
次の3つが挙げられるでしょう。

1.仮想現実で自閉症の人たちの状況を理解する
自閉症スペクトラム障害の人は、そうでない人とは世界の体験が異なることがよくあります。
これに仮想現実(VR)が役に立つでしょう。
英国自閉症協会ではVRの動画を作成しています。
自閉症の人たちの感覚過負荷の状況を、よりよく理解できるようにするものです。
この動画では明るい照明、点滅するライト、突然大きくなる音などを体験することができます。
英国自閉症協会のアクセススペシャリストのクリス・パイクはこう言います。
「自閉症の人がそのような振る舞いをすることが、これで簡単にわかるはずです」
例えば、テレビ画面の光、香水のにおいがそうでない人に比べて自閉症の人は圧倒されるほど強いものになってしまうのです。
リーの両親はこの動画を視聴して、リーがときどきパニックを起こしてしまうことや特定の感覚に敏感であることに気付かされたと言います。
例えば、リーは高音と低音のノイズに敏感で、ショッピングセンターに行くと耳を覆うことがあります。
 
2.現実の状況をシミュレーションで学ぶ
リーは横断歩道を渡す場合でも危険意識がなく、そして落ち着くこともできないことがあります。
そこで、特別支援を必要とする人たちがそうしたことを練習できるシミュレーターがあります。
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モーションセンサーを搭載したVRによって、道路を横断する方法や交通カードへのチャージなど基本的な移動スキルを学ぶことに役立っているものです。
「地域の環境をシミュレートしています。
安全な場所で、現実の環境になれるようにすることを助けます」
そうこのシステムの技術者は言います。
これを利用している作業療法士は、実際の場所で練習を行うとすぐにパニックを起こしてしまう可能性を言います。
「管理された環境である、シミュレーターで練習することの利点は、安全に最初の基礎を学べることです」
 
3.ロボットを使ったプログラミング学習
リーは学校では1時間しかプログラミングの授業を受けていません。
自閉症スペクトラム障害の人の中には、とても論理的に考えるのでプログラミングが得意な人もいます。
すべての動作がプログラムした結果であるため、完全に予測できることを楽しんでいます。
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オーストラリアで作られたスフィーロはプログラム可能なボール型のロボットです。
動き回ったり、光ったり、音を出すことができます。
スマホやタブレットでコントロールすることや、事前にプログラムしておくことも可能です。
支援組織の自閉症スペクトラムオーストラリアの学校コーディネーターのクレイグ・スミスはスフィーロを使うことで、学校でない場所でもプログラムを学べるようになったといいます。
そして、プログラミングの教え方と自閉症スペクトラム障害の子どもたちの指導に類似点があるといいます。
「学校に行く前に服を着なければなりません。
そのために必要なものはこれで、こうした順番で行っていきます。
というようなこととプログラミングは同じようなものです」
これは、リーに両親がトイレを使うときに教える具体的で順番のある指示にも似ています。
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子ども向けにプログラミングを教えているデイビッド・リーは、自閉症の子どもたちに単純なプログラミングでスフィーロを動かせるようにすることを教えています。
子どもたちは、スフィーロが直線上に動いたり、正方形を描くように動かすことができるようになっていました。
遊びをベースにした楽しい活動から、将来のキャリアにつなげられるかもしれません。
(出典・画像:シンガポールcna
テクノロジーはそのためにあります。
ますます進展し、ますます身近に利用できるようになることをうれしく思い、願っています。
視覚、聴覚、知的障害などの方を助けるGoogleのAI技術

(チャーリー)

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