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自閉症の子は運動が少ない。意思はあっても行動できていない親

time 2020/10/31

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自閉症の子は運動が少ない。意思はあっても行動できていない親

カナダのトロント大学の研究が、自閉症スペクトラム障害(ASD)をかかえる子どもや若者は、そうでない同年齢の人に比べて、体を動かすのが少ないことを明らかにしました。

この研究は”Autism”に掲載され、自閉症スペクトラム障害の子どもや若者の身体活動に関係する親の支援と、身体活動レベルの関係を調査したものです。

「私たちは、障害のある子どもや若者を身体活動に参加させるためには、親の支援が重要であることは知っています。
自閉症スペクトラム障害の子どもや若者にとっては特に重要である可能性があります」

そう、本研究の主著者である、キネシオロジー・体育学部のデンバー・ブラウンは述べています。

デンバーは、自閉症スペクトラム障害をかかえる子どもや青少年は自らの、社会的、行動的、または運動障害のために、体を動かす可能性がすくないと説明しています。

しかし、インクルーシブな身体活動プログラムを利用できる環境が限られていることや、そのような環境で自閉症スペクトラム障害の子どもや青少年と一緒に活動するための訓練を受けたスタッフがいないことなど、環境的な要因もあると言います。

「自閉症スペクトラム障害の子どもや青少年の身体活動を促進させるための理解を進めることは、生涯にわたる身体活動のパターンを形成するために非常に重要です」

カナダのブリティッシュ コロンビア大学、クイーンズ大学、ヨーク大学の研究者と共同で行われたこの研究は、ケリー ・ アーバー ・ ニシトプロス准教授が主導しました。
カナダのタイヤ・ジャンプスタート慈善団体によって資金を提供されている、5 年間の全国身体活動測定 (NPAM) 研究の参加者の特定のサブサンプルを利用しています。
NPAMは、カナダの学齢期の子どもや障害を持つ青少年の身体活動、座りっぱなしの行動、睡眠などの運動行動を調べたものです。

200人以上の自閉症スペクトラム障害を持つ子どもや青少年の親がアンケートに答え、それらから子どもの身体活動をサポートするための親の行動や意図を評価しました。

調査の結果、自閉症スペクトラム障害の子どもや青少年を持つ親の多くは、子どもの身体活動を支援しようと強い意志を持っていました。
しかし、約75パーセントの親は、その意志を行動に移すのに苦労していることがわかりました。
平均して、週に1回しか子どもの身体活動の支援を行えていません。

「これは、自閉症スペクトラム障害を持つ子どもや青少年の親が、自分の手に負えない壁に直面していることが原因の一つと考えられます。

例えば、子どもの状態を管理する必要があるため、親が子どもの定期的な身体活動への参加をサポートしたり、専門的な身体活動プログラムについての知識を深めたりするために必要な時間がもてないこともあるでしょう。

なかには、子どもの世話をする上で直面する多くの競合する要求に比べて、身体活動支援を提供することを最終的には優先順位が低いと考える人もいるかもしれません」

そう、アーバー・ニシトプロス准教授は言います。

さらに、自閉症スペクトラム障害の子どもや若者を支援する責任の大部分が親にあるという事実も課題の一つであるといいます。

研究の著者らは、医師にこの問題に対処できる機会があると述べています。
医師のところに訪れた際に親と身体活動の重要性について話し合ったり、作業療法士などを家族を紹介したりすることが医師にはできます。

また、作業療法士は親と協力して、身体活動のサポートを提供するための行動調節戦略(計画や目標設定など)の使用を改善することができ、電話やWeb、アプリなどを介して、親の身体活動支援行動を変えるための構造化された費用対効果の高い方法になりえます。
アーバー ・ ニシトプロス准教授はこう言います。

「我々の研究では、自閉症スペクトラム障害を持つ子どもや青少年の親は、身体活動を支援しようという意思を持っていますが、それだけでは十分でないことが多いことが示されました。

子どもだけでなく、子どもの身体活動を支援するために必要なスキルを親が身につける手助けをすることで、親もそれが行える自信を得られるようになるはずです」

(出典:カナダ トロント大学)(画像:Unsplash

外に行くにはいい季節になりました。

人との距離も気にならない、広い公園に一緒に出かけたりするのはいかかがでしょうか。

私ももっとうちの子と体を動かしたいと思います。

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(チャーリー)


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