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自閉症の自己診断。多くは不正確で必要な支援の妨げにもなる

time 2024/04/16

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症の自己診断。多くは不正確で必要な支援の妨げにもなる
  • 1. 自己診断による精神健康状態の判断は、本当に正確な評価ができるのか?
  • 2. ソーシャルメディアを通じて拡散される自閉症関連情報は信頼できるものなのか?
  • 3. 正式な専門家による診断を受けずに自己診断することが、本当に悪影響を及ぼす可能性があるのか?

TikTokなどを見た若者が、自閉症スペクトラム障害(ASD)を含む精神健康状態の自己診断をすることが増えています。
ある投稿では、自己診断が有効であるとする理由を言っています。
しかし、他の投稿では正式な専門家による診断の重要性を強調しています。

「自己診断は常に危険な試みです。
ソーシャルメディアは自己診断の潜在的な危険を増大させただけです」

そう、米インスピラ・ヘルスの行動健康センターのマネージャー、ジョセフ・オブライエンが言います。
ソーシャルメディアを通じて広がる誤情報が危険性を増すことが指摘されています。

米ドレクセル大学A.J.ドレクセル自閉症研究所の研究によれば実際、最も人気のある自閉症関連のTikTok動画のうち、正確な情報を含むのは27パーセントに過ぎませんでした。

研究では、動画の32パーセントが過度に診断基準を一般化し、41パーセント以上が完全に不正確であることも明らかにしました。

研究者たちが、「Autism」ハッシュタグが付いたTikTok動画の再生回数やいいねの数など、ユーザーの関与の指標を分析して危険性を調査した結果です。

動画の内容が事実かどうか確認され、自閉症の原因や特定方法など、自閉症に関する情報を提供する動画に焦点を当てました。
その後、動画は正確、不正確、または「過度の一般化」に分類されました。
この研究によると、誤解を招く不正確な動画がほぼ1億5000万回視聴されていたと報告されています。

自閉症に対する注意が高まることで、この状態に対する理解と個々の違いへの受容が広まる一方で、米ニューオーリンズ子供病院の小児心理学者、ダイアン・フランツ博士は、オンラインやソーシャルメディアでの誤った情報は有害だと述べています。

「個性や行動のあらゆる変動を説明するために診断を求める傾向は、子どもと大人の間の正常な多様性を受け入れることを妨げ、重大な障害を持つことの意味を軽視することにつながります」

診断システムの整合性を維持し、適切に人が診断されることを保証することが危うくなることを専門家は懸念しています。

「自己診断のリスクは、それが不正確である可能性が高く、生活のすべての側面をサポートするために必要なサービスも受けられなくなります」

つまり、自己診断が不正確である場合、その人が実際には持っていない症状や状態を自分で誤って判断してしまう可能性があります。
このように誤った診断に基づいて自分を理解しようとすると、実際に必要としているかもしれない適切な治療やサポートを見逃すことになるため、その人の全般的な健康や生活の質に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、正式な診断を受けていないと、保険の適用、医療支援、教育や職場での適応支援など、特定の健康状態に対するさまざまなサービスや支援を受ける資格が得られません。

例えば、自閉症スペクトラム障害(ASD)の場合、正式な診断を受けることで教育や職場での特別な支援を受ける権利が認められることがあります。
しかし、自己診断のみでは、これらの必要なサポートや介入を利用することはできません。

したがって、自己診断が不正確であると、個人が必要とする様々な面での支援を受ける機会を逃すことにつながり、それが生活全般に及ぶ悪影響を与えることになるのです。

オブライエンは、自閉症スペクトラムの診断は瞬間的に行われるものではなく、専門家が情報を収集し、クライアントに慣れるにつれて時間をかけて行われると付け加えました。

「診断は最終的には診断する人の裁量に委ねられますが、その人とクライアントとの間の継続的な対話を通じて、行われるのが最善です。
自己診断が診断する人の観察結果と異なる場合、状況はより複雑になることがあります」

(出典:米healthline)(画像:たーとるうぃず)

興味や不安からチェックしてみることは悪いことではないですし、止めることもできないでしょう。

しかし、あくまで参考となるだけと認識するべきです。

一方で、ますます不安になったり、深刻な場合、支援が必要なときには躊躇せずに「診断」に臨まれるべきです。

「診断」は正しい医療機関、医師などにより、時間をかけて行うことができるものです。

なお、自己診断だけでなく、高額な費用請求につなげるインチキ診断サービスにも気をつけてください。

また重度の自閉症の子の親としては、自己診断などでノリで自称する人を目や耳にするたび、そんなに軽々しいものでないという思いと「軽視」される心配がよぎります。

自閉症スペクトラムの曖昧な境界。社会規範の強制や逃避の温床に

(チャーリー)


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