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自閉症の少女の深刻な自傷行為が止まった。脳深部刺激療法

time 2022/06/22

この記事は約 6 分で読めます。

自閉症の少女の深刻な自傷行為が止まった。脳深部刺激療法

カナダに住む自閉症スペクトラムの9歳の少女が、脳に電気信号を送ることで、自傷行為を止めました。

エリー・トムルヤノヴィッチが、自傷行為を繰り返す子どもへの脳深部刺激療法(DBS)の効果を確認するための臨床試験を受けました。

自閉症の子どもの最大50パーセントが、自分を殴ったり、噛んだり、他人を殴ったりするなどの自傷行為をしていると推定されています。

エリーの自傷行為は、壊滅的なほど深刻でした。

公開された家族のビデオにはエリーが手で頭を殴り、拳を飲み込もうとし、鼻に指を突っ込んで嘔吐や唾液を出しながら出血させる様子が映っています。

両親のリサとジェイソンは、エリーの命を心配しました。

「かなりひどい状態でした。
エリーは両頬骨を骨折してしまいました。
また、バスタブの側面を噛んで、前歯の一つも欠けています」

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リサとジェイソンもあざだらけで、首をかまれてもいました。

エリーから自分を守ることも必要でした。
毎日、疲れ果てて過ごしていました。

「私たちの毎日は、エリーを押さえつけることで精一杯でした。
エリーが自分で怪我をしないように、足や腕を押さえつけなければならなかったのです」

自傷行為をした子どもは、脳障害や失明を引き起こし、死に至ることもまれにあります。
とくにエリーのように言葉を発しない子どもは、そうやってイライラを表現するのだと考えられます。

鎮静剤と抗精神薬が効かなくなって、リサとジェイソンは危機的な状況に陥りました。

「このままではどうしようと思いました。
一日中、一晩中、眠らずにエリーを拘束することは肉体的に不可能です」

そこでエリーをホスピタル・フォー・シック・チルドレンに入院させました。
運命の出会いとなりました。

そこでは、医師たちが画期的な研究を行っていました。
自閉症とこの重篤で危険な行動をとる子どもたちに電気刺激を与える治療方法の研究です。
小児神経外科医のジョージ・イブラヒム医師はこう言います。

「私たちは、こうした子のために何か選択肢を提供したいと切に願っていました。
しかし、それがどれほどの効果をもたらすかという点については、まだ十分にはわかりませんでした」

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脳深部刺激療法(DBS)は、成人のうつ病やパーキンソン病、小児のてんかんに対して20年ほど前から使用されています。
これは、適切に機能していないと考えられる脳の回路や領域を上書きするために微弱な電流を用いるものです。

「このまま一日中ケガをし続けるわけにはいかない。このまま一日中ケガをさせ続けるわけにはいかない」

リサとジェイソンはエリーにその治療の臨床試験を受けることを決断しました。

イブラヒムらの医師団は、エリーの頭蓋骨の2つの小さな穴を開け、脳の深部まで入る2つの電極を埋め込みました。
それは、首の皮膚の下にある電線を経由し、胸の右上に埋め込まれた丸い銀色のバッテリーとつながっています。
この電池が電気信号となり、エリーの脳に流れ込みます。

「効果にあわせて電気の強弱を変更することができます」

そうイブラヒム医師は言います。
手術からしばらくして、エリーの刺激装置を作動させました。

その結果、自傷行為はなくなりました。

ビデオには、エリーが笑顔で母親とハイタッチをし、楽しそうにテレビを見ている姿が映っています。

「娘は夢中になって、笑ったり、拍手したりしていました。
私たちは二人とも泣きました。
その装置の電源を入れた途端、娘は感情を持ったのです」

そう、母親のリサは言います。

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イブラヒム医師はこう言います。

「本当に驚きました。
エリーの最初の反応はとても勇気づけられるものでした」

イブラヒム医師のチームは、何が起こるかを見るために、電気をオフにしてみました。
するとエリーの自傷行為は復活しました。

これは、この研究を推し進めようとするイブラヒム医師のチームの決意を強くしました。

「選択肢がない子どもたちに、選択肢を与えるものだと思いました」

そして、この装置はエリーの脳を覗く窓にもなっています。
神経学者のカロリナ・ゴロデツキーはこう言います。

「エリーの脳から神経細胞の情報を継続的に読み取っているのです。

装置をつけてから、彼女がずっと幸せそうにしているのは、間違いなく明らかです。
しかし、彼女の人格の一部が戻ってきたのかどうか、それは大きな疑問です。
まだ、答えるのは難しいです」

この治療方法はエリーの自閉症を変えようとしているのではなく、エリーが自分自身を傷つけるのを止めようとしているだけだと強調しました。

エリーは今、自分の世界を生きています。
アニメを見て、リビングルームに入っておもちゃで遊んでいます。
母親のリサは本当に喜んでいます。

「DBSを導入する前は、そんなことはできなかったんです。
部屋から出ようとしないんです。
ベッドに横たわり、自分を傷つけることばかりしていました。
どこにも行かず、何もしませんでした。
何もしなかったんです」

手術から1年半、エリーのこの変化はリサの人生を大きく変えたと両親は言います。
エリーは両親からのお願いに応じるようになり、以前のように自分を傷つけることなく、辛抱強く待つようになりました。
鎮静剤を使う必要もなくなりました。

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カナダのホーランド・ブルアビュー・キッズ・リハビリテーション病院の自閉症の専門家であるエボドキ・アナグノストゥー博士はこう言います。

「イブラヒム医師たちの今後の仕事は、安全性と効果の両方を確立することです」

脳外科手術に頼ることに抵抗がある親もいるかもしれません。
しかし、アナグノストゥー博士は薬物療法にもリスクがあると言います。

「これには手術と麻酔が必要です。
親にとっては怖く感じるものです。
しかし、薬の多くは、ときに多くの副作用もあります。
ですから、DBSが比較的安全で大きな効果が得られる処置となれば、おそらく保護者の見方も変わり、潜在的な利益について考えるようになるでしょう」

エリーには、これまで重大な副作用はありません。
唯一の大きな課題は、バッテリーです。

エリーの行動を落ち着かせるためには、より多くの電気刺激を与える必要があると医師は言います。
そのため、他の医療用で2年持つように設計されているバッテリーでも、消耗が早くなってしまうのです。
エリーはこの1年半の間に3回、小さな手術を受け、半年ごとに電池を交換しています。

イブラヒム医師たちはこの問題を解決したいと望んでいます。
それは、エリーの先駆的な事例が、こうした自傷行為を行う子どもに悩む他の親たちの希望だと考えているからです。
母親のリサはこう言います。

「脳に穴を開け、胸から大きなバッテリーをぶら下げるのは恐ろしいことです。
しかし、そうするだけの価値があるのです」

(出典・画像:カナダCTV

頭に穴を開け、脳に電極を差し込む。

ずっと前から、パーキンソン病などの治療として行われており、震えが止まる。などの効果があることは存じていました。

それでも、過去の「ロボトミー手術」が浮かんでしまいます。

しかしながら、激しい自傷行為は本当に本当に辛いものです。本人や家族の悲劇につながります。

うちの子の自傷行為は軽いものですが、眠るためにずっと薬を飲んでいます。

昔に比べて、薬の効きは悪くなってきました。

もし、激しい自傷行為を抑えるために飲んでいた薬が効かなくなってきたとしたら、どうやって我が子を守ればよいのでしょうか。

この両親たちの気持ち、ご苦労、決断、想像できます。悩んだはずです。しかしそれしかなかった。

さらなる安全性と効果を追求する研究をしていただきたいと思います。

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(チャーリー)

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