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自閉症の青年はホテルで働き固定概念を破る「接客の仕事が好き」

time 2022/12/30

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症の青年はホテルで働き固定概念を破る「接客の仕事が好き」

ホテルポーターのシェイ・ベルは、シドニーの5つ星ホテルでホリデーシーズンにゲストを迎えるのに忙しくしています。
22歳のシェイは、スマートな制服と、ホワイエを行き来するゲストの喧騒が大好きです。
フラトンホテルでの彼の仕事は、スーツケースを積んだ台車を押して、ホテルの部屋を行き来すること。

自閉症と言葉の遅れがあるシェイは、お客様と関わることが自分の最大の強みであり、この仕事の醍醐味だと言います。

「フロントマンとして、みんなを笑顔にするのが好きなんです。
何かを達成したような気分になるんです」

シェイのような自閉症の人たちは、オーストラリアで最も失業率の高い人たちです。
固定観念によって、自閉症の人は特定の職業にしか向かないという思い込みがあります。
そのため、仕事の選択肢が狭められてしまっています。

人付き合いが苦手。
数学が好き。

そんな、映画『レインマン』の主人公のような人だと考えられているのです。
シェイは、そんな固定観念を打ち破っています。
チームの一員であることを楽しんでいます。

「スタッフは本当に協力的です。
私が困ったときに、いつもそばにいて、仕事を指示してくれるんです」

シェイにとって雇用されることは重要でした。
しかし、自分のスキルや興味に合った仕事を見つけるのは簡単なことではありませんでした。

「これまで、ランドリー、カフェ、造園業など、さまざまな仕事を経験しました。
お客さまに接することのない、裏方的な仕事もしたことがあります。
そうした仕事は、あまり好きではなかったんです」

オーストラリアン・カトリック大学の副学長であるサンドラ・ジョーンズは、多くの雇用主は自閉症の人々の機会を増やすためにもっと努力できるはずだといいます。
そして、ITやエンジニアリング、経理といった職種が自閉症の人に適しているという固定観念を無視する必要があると指摘します。

「ある自閉症の人にうまくいくからといって、すべての自閉症の人にうまくいくわけではありません」

ジョーンズ教授は自らも自閉症です。
多くの組織と共同で、自閉症の人が仕事を見つける際に経験することについて研究してきました。
オーストラリアでの自閉症の人の失業率は依然として「ばかばかしいほど高い」と述べています。

オーストラリア統計局によると、2018年、オーストラリアには20万5000人の自閉症の人がいて、労働年齢に達している人は、障害のない人に比べて、約8倍も失業していました。
他の障害を持つ人と比べても、自閉症の人は3倍も失業ていました。

「他の障害を持つ人や障害のない人に比べて、これほどまでに就労率が低いというのはおかしなことです」

雇用の障壁になっているのは、アクセスしにくい求職手続きや職場です。

ジョーンズ教授は、職場の調整は高価である必要はないと述べています。

「自閉症の人がまず入って仕事をし、彼らが持っているスキルを見ればいいのです。
コミュニケーションの取り方、動き方、行動の仕方を受け入れれば、実際にはもっと幸せに、もっと生産的な従業員になれるはずです」

南オーストラリア州政府は今年、エミリー・バークを自閉症担当の大臣補佐官に任命しました。
バークは、自閉症と共に生きる人たちと共同し、自閉症についての政府戦略を展開しています。

「もし私たちが、自閉症の人たちを労働力にしたい、変化を起こしたいのであれば、私たちは職場に知識をもたらす必要があります」

南オーストラリア州最大の雇用主となって州政府が模範を示すと、パークは述べています。

「もし私たちがすべての政府機関に憲章を配布し、雇用者としてできること、そして従業員としてより包括的であるためにできることを示すことができれば、私たちの社会で真の文化的変化を起こすことができるはずです」

シェイは、ホテル・エティコで接客のトレーニングを受けました。
このホテルは、知的障害を持つ若者に雇用とトレーニングの機会を提供する、オーストラリア初の社会的企業ホテルです。
ホテル・エティコが、シェイがフラートン・ホテルとの面接を受けるための準備と段取りをサポートしました。

「ホテルの支配人は親切で、最初から私を気に入ってくれました」

シェイはは週2日、ホテルで働き、その仕事が自立に役立っています。
将来はフルタイムで働きたいとも考えています。

「給料をもらうと、自分の口座にたくさんのお金が入るし、貯金もできます。
とてもうれしいです」

シェイは、自閉症の人たちも他の人たちと同じように、さまざまな長所と短所を持っていると言います。

「少し特別なサポートと忍耐があれば、素晴らしい仕事をすることができます。
社会に貢献することができます」

(出典・画像:豪abc

ますます多くの場で、活躍できる機会が増えてほしいと心から願います。

たくさんの笑顔が増えてほしい。

発達障害の若者たちが働くことを学ぶ古本屋

(チャーリー)


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