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「自閉症の人の増加はワクチンが原因」これは誤り、事実ではない

time 2023/06/26

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

「自閉症の人の増加はワクチンが原因」これは誤り、事実ではない

1980年代以降、自閉症の割合が劇的に増加したのは、小児ワクチン接種の増加が原因だと主張するフェイスブックの投稿がありました。

この主張は誤りです。

専門家によれば、自閉症の増加の原因は、診断基準が広くなったことと、自閉症に対する理解が深まったことだと言います。

なお、多くの研究が、ワクチンと自閉症との関連性を否定しています。

この投稿は次のように主張しています。

「1983年のアメリカにおける自閉症発症率は10000人に1人だったのが、2008年には150人に1人に増加した。
それは、36種類のワクチンが接種されるようになったためであり、2013年には46種類のワクチンが接種されるようになり、88人に1人の割合に達した。
現在、自閉症発症率は36人に1人である」

そう投稿には書かれています。

しかし、この投稿にはいくつかの問題があります。

第一に、自閉症の発症率について引用されている数字は、まったく正確ではありません。
1980年代の自閉症発症率は、10000人あたり4~10人と推定されていました。

一方で、2020年のアメリカにおける自閉症発症率が、36人に1人と推定されているのは事実です。

しかし、この増加はワクチン接種とは無関係です。

専門家によれば、自閉症の人が大幅に増えたわけではありません。
むしろ、近年まで自閉症の人が正しく診断されてこなかったためであり、その診断方法が大幅に改善されたためです。

オーストラリアのシドニー小児病院で小児・青少年精神保健を担当するアダム・ガステラ教授は、自閉症の増加をワクチンと結びつけるのはナンセンスだと言います。

「この20年間で、認知度、評価、診断基準が変わりました。
それが増加の主な理由です」

2013年の米ユタ大学の研究では、過去の自閉症データを再調査し、その増加は、より良い診断基準と自閉症に対する理解の向上によるものである可能性が高いことを示しています。

「ASD(自閉症スペクトラム障害)の有病率の測定値を上昇させることが知られているいくつかの重要な要因は、ASDの発生率の真の上昇というよりも、ASDの認識や臨床および監視の実践の変化を反映している」

とくに、自閉症の診断基準は広くなりました。

たとえば、幼児期の自閉症は、1980年には米国の『精神障害の診断と統計マニュアル』(Diagnostic And Statistical Manual Of Mental Disorders)において、別の疾患として認識されていました。

自閉症に対する理解が深まるにつれて、そのマニュアルは改定し、診断基準はより幅広くなっていきました。

ユタ大学の研究では、1980年代には自閉症ではないと分類されていた108人の子どものうち64人が、現代の基準では自閉症と診断されました。

オーストラリアン・カソリック大学の自閉症研究者、サンドラ・ジョーンズ教授は、この診断基準の変更によりASDの人が支援を受けられるようになったと言います。

「多くの自閉症の人が、以前は別の疾患と誤診されたり、全く診断されなかったりしたのです」

また、環境的な要因も自閉症の増加につながっていると考えられています。
とくに、子どもを産むのが遅いことが関係しており、それは1980年代以降に多く見られるようになりました。

医療へのアクセスも、診断される人の増加に一役買っています。
また、自閉症を認知している人や自閉症の人を知っている人は、治療を受ける可能性が高いという証拠もあります。

この問題の投稿はまた、米国の小児期スケジュールにおけるワクチンの数も誇張しています。
特定のワクチンが複数回接種されることはよくあるが、その総数はそこで主張されている数よりはるかに少ないものです。

ワクチンが自閉症率の増加の原因であるという主張は、これまでに何度も否定されています。
複数の研究がその関連性を否定しています。

(出典:豪AAP FACTCHECK)(画像:Pixabay

なんどもなんども否定されていますが、まだ、根強く誤った考えが残っています。

自分の子の命を守るためには、正しい知識が必要です。

ワクチン接種は自閉症の原因ではありません。

また、危惧するものとして、怪しい検査ビジネスもあります。

その検査で、本当に発達障害や自閉症であることがわかるのでしょうか?
検査自体は科学的、医学的であっても、その検査結果から、そもそもそんなことがわかりましたっけ?
必要と考えるなら、確かな医療機関で目的にあった正しい検査を求めてください。

インチキ医療。発達障害の原因はワクチン、チキンナゲットで治る

(チャーリー)


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