発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

IQが高い父親の子は自閉症のリスクが高い

time 2017/05/14

この記事は約 3 分で読めます。

IQが高い父親の子は自閉症のリスクが高い

米カリフォルニア州サンフランシスコで開催された2017年の国際自閉症学会で発表された研究結果によれば、父親の知能が高い子供は、自閉症のリスクが平均よりも31%高いとのことです。
この研究は、レオ・カナーとハンス・アスペルガーが、自閉症の子の父親が高度に知的である傾向があり、技術分野で働いている傾向があったという1940年代の研究を支持するものとなります。
2012年の研究調査では、オランダのハイテク雇用が多い地域の子どもたちは、他の地域に住む子どもより発達障害の可能性が高いことが示されています。
今回の新しい研究では、スウェーデンのストックホルムにあるカロリンスカ研究所の助教授のレネ・ガードナーが、これまでのそうした結果が正しいものであるかどうかを調べました。
f2
ガードナーたちは、スウェーデン軍に徴兵された父親をもつ309,803人の子どもの医療記録と、その父親のスウェーデンIQ検査での理数的な分野に関わるスコアを結び、調査をしました。
父親のIQが111以上である子どもは、父親のスコアが100前後の子供よりも自閉症であるリスクが31%高くなっていることを発見しました。
そして、父親のIQと、知的障害やADHDの子どもとの関係は、自閉症とは逆であることも発見しました。
IQが75以下の男性の子どもは、知的障害であるリスクが4.5倍ありました。
IQが低い父親の子どもはADHDである可能性は、平均よりも65%高いものでした。
ガードナーは、頭のよい父親がもつリスクについて、過大評価をしないように注意をしています。
「父親の技術的な分野での高いIQスコアとの関係性は興味深いものです。
しかし、このリスクの増加については、全く重要視するものではありません。」
子どもが発達障害となる、明確な理由を示すことができないためと、ガードナーは言います。
f1
この研究には参加していない、米ミシガン大学のケリー・バクルスキー助教授も、今回の研究では父親のデータだけしかなく母親のデータがないものなので、遺伝学的な観点からは全く不完全なものだと指摘しています。
母親のIQ検査結果などのデータはありません。
徴兵されない母親について、スウェーデン軍にデータは存在しません。
ガードナーは、その不完全さを認めたうえで、昔の研究結果が現代のデータからも確認できたことが興味深いと述べています。
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay
発達障害については、さまざまな要因により起こるものと認識されています。
親からの遺伝はその一つの要因とは考えられるでしょうが、「一つの」要因です。
うちの子どもは、自閉症(父親のIQが高い)で知的障害(父親のIQが低い)なので、私は自分のIQを知りませんが、どっちなんでしょう?
また、この研究では、お母さんのデータがありませんでした。
そのため「親からの遺伝」という要因について、確かめるものにも全くなっていません。
いろいろな研究がされ、発表されるのはよいことだと思います。指摘や批判もされるからです。
この研究はその程度に捉えておけばよいものだと思います。
 
なお、科学的な研究にもとづいているとはいえない、いいかげんな情報には決して惑わされてはいけません。
偽りの希望を与える「治す」方法に注意

(チャーリー)

たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから
福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

blank

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

blank

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。

blank

NPO法人Next-Creation様からコメント

blank

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。