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動物による療育が症状の一部を改善し、発達障害の人の生活を改善

time 2018/01/06

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動物による療育が症状の一部を改善し、発達障害の人の生活を改善

サブリナ・オプストバウムは、娘のレーガンをスプリング・ブルーク農場の動物小屋に連れて来たときには、大きな期待はしていませんでした。
ここでは、特別支援が必要な子どもたち向けに、動物による療育が行われています。
多くの発達障害の子どもたちと同様に、レーガンは他の人と交流することはありませんでした。
しかし、ずっと動物とはふれあっていました。
ヤギのアナベル、ひつじのシュガー、ミニチュアホースのドリーマー、その他の動物たちと毎週、そしてサマーキャンプで2年間ふれあいました。
8歳になったレーガンは大きく変わりました。
「かんしゃくを起こすことがなくなりました。
動物たちと一緒にいるときには落ち着いています。
次の日も、その次の日の学校でも、その落ち着きが続いていることがあります。
娘はとても穏やかになりました。
幸せそうです。」
そう母親のサブリナは言います。
「動物たちは、娘のレーガンに何も期待しないところがよいのだと思います。
娘に対する動物たちの穏やかさが、娘にもうつるのです。
人間だと常に何かを期待します。
動物たちは、何も求めません。
ただ、一緒にいてくれるのです。」
動物による療育方法(AAI)が、困難な症状の一部に効果をもたらし、発達障害の人の生活を改善することが研究でも明らかになってきました。
発達障害の子どものコミュニケーションの増加と不安の減少をもたらすのです。
発達障害では、その症状のために発達障害の子どもは孤独になり、いじめの対象になることもあります。
そして、愛する人たちとの間のコミュニケーションも難しくなっています。
米ペンシルバニア州のウェストチェスター大学のウォーカー・バック准教授は、スプリング・ブルーク農場に通う家族について調査を行っています。
絶望の果てに、この農場に来る親たちがいることもウォーカー准教授は知っています。
そして、この動物による療育によって子どもに良い変化が現れると、親たちも希望を手に入れています。
「希望は、家族の仲も良くします。
希望がストレスを緩和するのです。」
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これまでに何十年もの間、動物による療育方法の効果を証明するための研究は行われてきました。
しかし、その多くは根拠に乏しく科学的とは認められないものも少なくありませんでした。
疑問が残る研究結果をもとにして、子どもをイルカと泳がせるために多額のお金を払う発達障害の子の親たちもいました。
ペンシルバニア大学獣医学部の動物福祉を専門にしているジェームス・サーペル教授はこう言います。
「現在は、研究の質が大きく改善しました。
研究費用のスポンサーが真剣に注目するようになったからです。」
米国最大の健康研究費をもつアメリカ国立衛生研究所(NIH)では、人と動物の相互作用について10年前から研究を行っていますが、さらに5年間の延長を行います。人と動物の関係は成長分野の研究となっているのです。
この研究では、動物と人との相互作用が、自閉症スペクトラムなど発達障害の子どもたちに有益であることを示唆する結果も発表されています。
「大々的な発表をする段階ではまだありませんが、たしかに有望です。
動物とのやりとりが害にならない。そういう程度は超えているもので、数字として表すことができます。」
そうジェームス・グリフィンNIHの幼児発達支局長は話します。
 
馬や犬による療育が一般的ですが、興味深いものとして、ハムスターによる療育方法の研究もあります。
この研究では、オーストラリアの子どもたちはおもちゃだけでなく、ハムスターと触れ合うことで、他の人とのコミュニケーションの向上が認められました。他の人と会話をしたり、顔を見ることができたり、触れることが増えたのです。そして、笑顔も増えていました。
また動物と触れ合ったときに、他の人とのコミュニケーションにも関係してくる良い生理学的な反応が現れることも確認されています。
発達障害の子どもたちにリストバンドをずっと着けてもらい、神経学的な覚醒レベルを記録しました。子どもたちがハムスターと遊んでいるときには、不安が低下していました。
つまり、ハムスターが子どもたちを落ち着かせていたのです。
研究者は、動物が発達障害の子どもの社会的な緩衝材として機能するため、動物がいれば、発達障害の子どもが他の子どもとやりとりすることも増える可能性を示唆しています。
「何人かの子どもは、ハムスターは友だち、それも親友と言っていました。
多くの子どもたちが、ストレスを感じたり、パニックになるとハムスターのケージのそばに来て座るようになりました。
人と動物の相互作用に関係する研究で重要なことは、その研究結果をうまく利用できるように、誰でも理解可能なものでなければなりません。」
この2つのハムスターの研究を行ったパデュー大学で人と動物の相互作用を研究するマーゲリット・オハイア助教授はそう言います。
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スプリング・ブルーク農場に戻りましょう。
赤ちゃんのこひつじが飛び跳ねると、近くにいた二人の男の子がうれしそうに笑っています。
「助けてトレバー、ひつじをつかまえられないよ!」
9歳のニコラス・オプストバームがそういうと、9歳のトレバー・ウォルシュも大きな笑顔で走ってきます。
トレバーは発達障害です。
ニコラスは発達障害ではありません。
しかし、トレバーとニコラスは友だちです。
「トレバーは、学校でも友だちはいませんでした。
動物小屋でも最初は、友だちはできませんでした。」
そう母親のローリーは言います。
トレバーは犬を怖がったので、この農園での療育が助けになると思い、両親は連れてきました。
最初はここでもトレバーは苦手な動物がいましたが、スタッフの助けで徐々に変わってきました。
そのうちに、ニコラスとトレバーは知り合い、友だちになっていきました。
発達障害でないニコラスは、発達障害の妹のリーガンについてこの療育に参加しています。
動物との活動が、こうして子どもたちのかけはしになっています。
今では毎週、トレバーの家でも一緒に遊んでいます。
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トレバーは、他の人の言葉やテレビで聞いた言葉を繰り返すだけでした。
そのため、話すことはできないと思われてきました。
しかし、今トレバーはニコラスと話すときには、自分の言葉を持っています。
お互いにユーモアをもって笑わせています。
そして、トレバーはニコラスだけでなく他の人にも関心を示し始めています。
トレバーの母親のローリーはこう言います。
「息子のトレバーの人生と私たち家族の生活を大きく良く変えてくれました。
動物たちはいつも静かに、トレバーたちを元気づけてくれています。」
春からトレバーは、ニコラスと一緒に子牛を育てる手伝いをします。
トレバーとニコラスは本当にとても仲の良い友だちです。
(出典・画像:米The Inquirer
犬や馬だけでなく、
ヤギやひつじ、モルモット、ハムスターでもよいと思いますが、小さな動物でも発達障害の子を助けてくれるということです。
ミジンコを飼っている人をテレビで見ました。かわいいそうです。
発達障害の程度や動物の行動や人への積極性で、差はあるのでしょうが、生き物であればみんな助けてくれそうな気がします。
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(チャーリー)


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