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「自閉症とは思えない」高機能自閉症の私にはうれしくない言葉

time 2022/09/05

この記事は約 5 分で読めます。

「自閉症とは思えない」高機能自閉症の私にはうれしくない言葉

もしも、あなたが仕事を持ち、支払いをすることができる自閉症の人だったら、こうよく言われるはずです。

「自閉症とは思えない」
「高機能なんでしょうね」

多くの人は、親切でこれらのことを言うのでしょう。

自閉症の私たちが普通に見えるということは、彼らにとっては最高の褒め言葉なのです。
結局のところ、普通でありたいと思わない人はいないはずなので。

しかし問題は、自分が完全に異常だと感じている場合には、その言葉は届かず、心を痛めさ、褒めるものとはならないことです。
たとえ日常生活のタスクを完了し、人生のいくつかの分野で成功することができたとしても、自閉症であれば見えないところで多くの苦労をしているはずです。

私たち、高機能と認識されている人はマスキングが得意です。

マスキングは、私たちが子どもの頃に学んだスキルです。
私たちに社会的スキルを教える療育や子育てを経て、私たちが幸せや快適さを感じることをするときはいつでも間違っていると教えられてきた社会化の結果です。
私たちは、私たちにとって自然な行動はすべて行うべきではないというメッセージを送ってきた世間一般で育つことによって、マスキングを鍛えられました。

私たちはこうした周りの空気に順応し、自然な衝動をすべて隠すことを学び、他人を動揺させないように行動しようと努めています。
マスキングは、自分の本当の部分を憎むことを教えてくれるだけでなく、私たちがエイリアンであることを発見されないように、人間関係を表面的に保つように教えてくれます。

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自閉症の大人の生き方について書いた私のお気に入りの作家の一人、ピート・ワームビーは、マスキングを「自閉症者が周囲の人々に対して神経型に見えるように意識的または無意識に行う努力」と表現しています。
「それは強烈に自分の何かを消費する活動であり、維持するのに疲れる」とも述べています。

「自閉症の人の自殺による死」(JAMA, 2021)という研究論文では、自閉症を持つ成人の間での自殺の増加について取り上げています。
その中では、マスキングが、私たちの高い自殺率に大きく寄与していると結論付けています。

私たちが高機能と呼ばれるときは、それはしばしば、私たちがどれほど障害を感じ、どれほど日常生活技能やマスク、維持に苦労しているかを無効にされてしまいます。
私たちの人生経験を無効にし、人々が望んでいるのは、私たちが普通に見え続け、マスキングを続けることなのだと思い知らされるのです。

自閉症である私は、高機能であると感じたことは一度もありません。
発達障害なのでない人たちの期待を維持するために、常に戦っているような気がします。
鳥のふりをして失敗しているコウモリのような気分です。

誰かに「あなたはとても高機能ですね」と言われるたびに、私は叫びたくなります。
私は高機能ではありません。
私は疲れ切っていて、常に圧倒されており、自分がまわりに応えられないことを、しばしば覆い隠しているのです。

逆に、低機能というレッテルも、破壊的です。
低機能と見なされた人は、汚名を着せられ、孤立することになります。
彼らの長所は無視され、しばしば能力がないものとして扱われるのです。

言葉によるコミュニケーションはほとんどできないけれども、文章を書くのは得意という自閉症の人もいます。
私たちは書き出して、やりとりをします。
彼らはしゃべらないし、表情もほとんど平坦か不適切なので「低機能」と認識されています。
しかし、時間をかけてコミュニケーションをとれば、彼らは豊かな内面を持っています。
完全に誤解されていることが多いのです。

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診断統計マニュアル第5版テキスト改訂版(DSM-5-TR)では、自閉症の人たちを、支援の必要性に基づいて3つのカテゴリーに分類して診断しています。
私には、この方がしっくりきます。

レベル1では、日常生活や作業においてサポートが必要です。
レベル2では、サポートは必要、
レベル3では限定されたサポートのみ必要です。

これらのレベルは、なぜ支援が必要なのか、あるいは必要でないのかを意味するものではなく、障害の現れ方によって、さまざまなレベルの支援が必要であることを認めているに過ぎません。
決して高機能でも低機能でもありません。
必要とする、支援の内容や量だけでの分類です。

私たち自閉症の人の多くは、高機能と低機能の直線的なグラデーションではなく、スペクトラムを車輪のように見ることを好みます。
そして、私たちは異なるニーズや欲求を持つ人間として見られることを好みます。

自閉症のスペクトルは重度の自閉症から軽度の自閉症という一本線ではありません。
程度の差もありますが、特性が異なっているのです。
自閉症の私たちは皆、葛藤し、助けを必要としています。
「高機能」は誤解であり、「低機能」は汚名です。

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これまで自閉症の人の声は親や研究者によって語られてきました。
彼らは機能的なラベルが好きでした。
しかし、当事者の私たちの多くはそうではありません。
私たちも一人ひとり、違う存在として見られることを好みます。

私にとっては、自閉症は障害です。
私は生涯、自閉症と闘ってきました。
そのために友人も仕事も失いました。
私は基本的な社会的手がかりを読み取ることができず、これは人生のほぼすべての側面で問題になっています。
機能的なラベルは、私の障害を無効にし、私たちがユニークな人間であることを無効にしてしまうのです。

(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay

自閉症の方に限った話でなく、レッテルだけで簡単に判断することなく、それぞれ一人ひとりを尊重していただきたいと願います。

「重度自閉症」というレッテル。その一般化が求められる理由

(チャーリー)

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