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自閉症の息子の自立。2つのカレンダーでわかった親の思い込み

time 2023/10/16

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症の息子の自立。2つのカレンダーでわかった親の思い込み

私の自閉症の息子、ナットの自立心が大きく進化しました。
すでに以前からそうだったかもしれませんが、最近、私は息子が私たちにますます依存しなくなっていることに気づきました。
私たちの古い教育ツールだったカレンダーが、ナットが確かに成長していることを明確に示してくれました。

カレンダーは長らくナットの情報源であり、安心の源でした。

夫のネッドは、ナットの昔の話をよくします。
当時ほとんど言葉を話さなかったナットが突然、「学校、学校、学校、学校、学校、学校なし、学校なし」と叫んだときのことです。
しばらくした後、夫はこの面白い暗唱が何を意味するのかを理解しました。
ナットは週の7日間の概念を理解していたのです。

その後、私たちは息子の世界をこれまで以上に広げることができるようになりました。
特定の出来事がいつ起こるか、それがどれくらい続くかを説明できるようになりました。
息子を新しい概念に導くことができることを私たちは学びました。

このアプローチでは、ある概念の基盤を築き、それを類似の概念にリンクできるまでに発展させ、息子が自分の宇宙でより多くのつながりを見つけられるようにします。
たとえば、「今週末は違います。『学校なし、学校なし、学校なし』です」と言うことができ、3日間の週末の概念を導入することができることもわかりました。
この新しいことを理解できることは、ナットにとってもうれしいことだったに違いありません。

息子は常に確実性、はいまたはいいえ、黒または白を愛してきました。
とくに、息子が幼児期に周りの出来事の流れを理解するのに苦労したことを考えると、世界の予測可能性は大きな安心感をもたらしました。

週間の学校カレンダーは数年の間、月間のカレンダーに変わりました。
そして最終的に、現在使用している2週間のものになりました。

ナットが新型コロナウィルスのパンデミックの間、私たちと一緒に住んでいた間、このカレンダーはその日の多くの出来事をリストアップし、息子に充実感を与えるのに役立ちました。
「母と一緒に焼く」や「父と散歩する」といった小さなことさえ、楽しみな出来事になりました。
2週間のカレンダーは、ナットに目的感を提供しました。

しかし数か月前、いつもの週末の家族訪問の後、ナットをグループホームに戻すと、ナットがその夜とても動揺していたことを知りました。
私たちと一緒に家にいたために、映画に行けなかったことを息子は理解していました。

そのとき、カレンダーのスケジュールがナットの選択を妨げているかもしれないことに気付きました。

私は、ナットは週末にはいつも家に帰りたいと思っているだろうと考えていました。
息子は18歳で、グループホームで生活を始めて以来、息子はそこでの生活を楽しんでいるだろうとは思いつつ、本当の家はここだと思っているだろうと考えていました。

しかしパンデミックが終わった後、明らかに変わっていました。
私はそれに気付いていませんでした。
パンデミック中は、息子は私とずっと一緒に過ごして楽しんでいたからです。
それでも、夫も同じように息子が変わったと感じていました。

そこで、2週間ごとのスケジュールの2つのバージョンを作り始めました。
週末に家に帰る場合とグループホームに滞在する場合の2つです。
ナットには自分で選択しなければならないと伝えました。

私たちがいつも息子に新しいことを理解してもらうのと同じように、何度も選択肢を繰り返し提示し、息子が選べることを理解してもらいました。

すると、ナットは家に帰らないことを選びました。
毎回です。
私は驚きました、信じられませんでした。

私は、自分が息子の安心の源でなくなったこと、息子の宇宙の中心でなくなったことを受け入れることができませんでした。
もう長い間、そうだったのかもしれませんが、私に準備ができていませんでした。

しかし、2つのカレンダーの選択を通じて、私は真実を見ました。

他の方法でもナットがグループホームをどれだけ愛しているかを示しているにもかかわらず、私はそれを受け入れることができなかったのです。
私は、息子がこんなふうに自立するとは思っていませんでした。

しかし、そうなるべきことです。
すべての人間は、可能な限り自立を達成し、大人としての地位を占める必要があります。
ナットの2人の弟も家を出て行きました。
ナットだけ、そうならないことは、良いことではないでしょう。

それでも、ナットの自立は簡単ではありません。
依然として24時間体制で監督が必要だからです。
週末に家に帰る頻度を減らせば、その分、息子の安全と幸福を他の人に任せる必要があります。

私は、ナットが大丈夫かどうかについてひんぱんに心配することは減らさなければなりません。
慣れていかなければなりません。
61歳になった私も、ナットから学んでナットから自立しなければなりません。

(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay

うちの子が自立するようになるのは想像もできませんが、そうなったら、すごくうれしくて、すごく寂しくなるでしょうね。

それでも、私がいなくなってしまう前に、すこしでも自立に向けて歩んでほしいと思います。

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(チャーリー)


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